院長ブログ

癒合歯について

日本人の乳歯癒合歯の発生率は2〜5%と報告されています。そのほとんどが上下の前歯部で私は奥歯での癒合歯は見たことがありません。乳歯に癒合歯があった場合、皆さんが気にされるのは後に出てくる大人の歯(永久歯)が同じ様に癒合していないかだと思います。癒合歯について2013年に辻野先生等が行った調査によると後続永久歯は①通常通りに萌える49.4%(歯種による)②1歯が先天欠如49.4%③後続永久歯も癒合歯1.2%と報告されており、結果としては癒合歯の後に続く永久歯は通常通りか先天欠如が現れるかのどちらかになると言えます。そして②の場合は歯数が不足するため、永久歯列に歯並びや噛み合わせの影響が現れることが多くなることから矯正医への相談が必要になります。

 癒合歯は歯の中の神経の形が複雑になる場合が多いので虫歯にならないように定期的に歯科医院へ行き注意深く経過観察し予防的なケアを行うことが推奨されます。また生え変わりの時期になると乳歯の癒合歯は歯根の吸収不全を起こす事があったり後に続く大人の歯が2歯とも存在する場合、それぞれの永久歯の萌出時期が異なるため萌出に悪影響を及ぼすことがあります。その場合の対処法としては必要に応じて乳歯癒合歯の分割や抜歯などの処置を行います。

もしご心配のお子様がおられましたら定期的な健診をお勧めいたします。